「最近カメの動きが鈍い…もしかして冬眠?」
「冬眠させたほうが自然でいいのかな?」

ちょっと待ってください。実は、飼育下でのカメの冬眠は「命がけ」です。準備不足のまま冬眠させると、春に目を覚まさない(そのまま亡くなってしまう)リスクが非常に高いのです。

今回は、初心者でも安全に冬を越せる「冬眠させない飼育(加温飼育)」の方法と、必須アイテムであるヒーター等の温度管理について解説します。

なぜ「冬眠」は危険なのか?

自然界のカメは冬眠しますが、それは「寒くて動けないから仕方なく」行っている延命措置です。

家庭で冬眠を成功させるには、秋のうちにたっぷりと栄養を蓄えさせ、冬の間中ずっと5℃〜10℃の一定温度を保ち続ける必要があります。これはベテランでも難しい管理です。

⚠️ 初心者は「冬眠させない」が正解!

生まれて1年未満の子ガメや、体力が落ちているカメは、ヒーターを使って「夏と同じ環境」を作ってあげるのが一番安全です。

緊急チェック!「冬眠」と「死亡」の見分け方

「カメが全く動かない」「手足をだらんとさせている」…これって冬眠?それとも?
冬場に最も多い飼い主さんの不安を解消するためのチェックポイントです。

⚠️ 生存確認の3ステップ(※室温に戻してから行ってください)
  • 1. 手足やお尻を軽くつついてみる
    冬眠中(仮死状態)であっても、刺激を与えればわずかに手足を引っ込めたり、反応したりします。全く反応がない場合は危険です。
  • 2. 目のくぼみ・臭いを確認する
    目が極端に落ち窪んでいる、または異臭(腐敗臭)がする場合は、残念ながら亡くなっている可能性が高いです。
  • 3. 水温・室温をゆっくり上げて様子を見る
    いきなりお湯に入れるのはNGです。数時間かけて25℃程度まで温め、半日ほど様子を見ても動かなければ死亡していると判断されます。

【種類別】冬の適正温度一覧表

「冬眠させない」ためには、何度をキープすれば良いのでしょうか?カメの種類によって適温は異なります。

種類 水温 / 気温 管理のポイント
水棲ガメ(ミドリガメ・クサガメ等)
適温 水温 23℃〜26℃ 水中ヒーターを使用。バスキングライトで陸場は30℃近くにする。
危険ライン 15℃以下 消化不良を起こし、免疫が低下する危険ゾーン。
リクガメ(ヘルマン・ロシア等)
適温 気温 25℃〜30℃ ケージ全体を保温球などで温める。夜間も20℃を下回らないように。
危険ライン 18℃以下 風邪(肺炎)をひきやすくなる。鼻水が出ていたら要注意。

冬越しに必要な「3種の神器」

カメを寒さから守るために、以下のアイテムを準備しましょう。

1. オートヒーター(水棲ガメ用)

水の中に入れてコンセントを差すだけで、自動的に26℃前後を保ってくれます。必ず「カバー付き」を選びましょう(カメが火傷しないため)。

📊 どれを買えばいい?水槽サイズ別ワット数目安

水槽サイズ 水量目安 おすすめW数
30cm水槽 約10L 25W 〜 50W
45cm水槽 約30L 100W 〜 150W
60cm水槽 約60L 150W 〜 200W

※「大は小を兼ねる」ので、迷ったらワット数が大きい方を選ぶと安心です。

2. バスキングライト

「太陽」の代わりです。陸場を温め、紫外線を浴びせることで甲羅の健康を保ちます。冬場は特に重要です。

バスキングライトで甲羅干しをするカメ

3. 水温計・温度計

ヒーターが故障していないか毎日チェックするために必須です。「肌感覚」は当てになりません。

冬の飼育に関するよくある質問

Q. ヒーターを入れたのに餌を食べないのはなぜ?

A. 水温は適温でも、気温(空気)が冷たすぎることが原因かもしれません。水槽の上に蓋をしたり、部屋自体を暖かくして、空気を温めてみてください。

Q. ヒーターの電気代はどれくらい?

A. 水量やワット数によりますが、一般的なカメ用ヒーター(50W〜100W)で、月額数百円〜1,500円程度が目安です。カメの命には代えられません。

Q. 昼間だけヒーターをつけるのはアリ?

A. ナシです。水温が乱高下するとカメの体に負担がかかり、一番体調を崩しやすいです。冬の間は24時間つけっぱなしにしてください。

まとめ:日本の冬はカメには寒すぎる

カメは「万年生きる」と言われるほど丈夫な生き物ですが、唯一の弱点が「寒さ」です。

冬眠というリスクを冒すよりも、ヒーターを使ってぬくぬくと温めてあげましょう。元気に餌を食べる姿を見ながら冬を越すほうが、飼い主さんにとっても安心できるはずです。

ABOUT ME
メガネ犬編集長
ペット関連仕事についていた経験から編集長に就任。犬も猫も小動物も爬虫類も大好きです。 現在妻、息子、犬1、猫4、メダカ5匹と暮らしています。 目下の悩みは老猫の病気のケアです。