日本では5月後半から6月・7月にかけて長い梅雨に入りジメジメして、飼い主にとって犬の散歩が億劫な日々になります。一方で犬にとっては特に関係はなく、雨でも臆せず散歩に行きたがる犬は多いと思われます。
ただ、雨の日の散歩には犬にとっても飼い主にとっても一長一短があります。メリットもある一方で、デメリットも注意する必要があります。
今回は雨の日の散歩はすべきか?という部分に関してまとめてみました。
Contents
雨の日に犬の散歩をするメリット
雨の日でも、犬との散歩はその日のルーティンとして続けることが重要です。
これは犬が自身の縄張りを確認し、社会性を身につけ、ストレスを解消し、無駄吠えや夜間の不眠を改善するための機会となるからです。ここでは、雨の日の散歩が犬にとってどのようなメリットをもたらすのか詳しく見ていきましょう。
メリット1:縄張り確認
犬は自然の生き物で、その本能的な行動の一つが縄張りの確認です。散歩は、犬が自身の領土を確認し、その領域内での生活に自信を持つ機会となります。
雨の日でも、この縄張り確認の行動は犬にとって重要です。雨の匂いや感じる湿度など、雨天独特の環境は犬の感覚を刺激し、新たな体験となります。
メリット2:社会性の育成
散歩は犬が他の犬や人々と触れ合う機会を提供しましょう。
これにより、犬は社会的なルールを学び、自身の行動を適切に制御する能力を育てます。雨の日でも、これらの社会的な交流は犬の社会性の育成にとって必要不可欠です。
メリット3:ストレスの解消
適切な運動は犬のストレスの解消に役立ちます。
特に雨の日には家の中で過ごす時間が長くなりがちで、その結果ストレスが溜まりやすいです。散歩は犬がそのストレスを発散する良い機会となります。
運動不足によるストレスで問題行動をすることもありますので、とくに運動量が必要な犬種に関しては、雨の日でも積極的に散歩をしましょう。
メリット4:無駄吠えや不眠の改善
散歩による運動は犬のエネルギーを適切に使い果たす助けとなります。
これは、犬が日中に溜まったエネルギーを適切に消費することで、無駄吠えや夜間の不眠を防ぐために有効です。
ストレス解消とかぶる部分ではありますが、雨の日でも運動で疲れることは、無駄吠え、夜間の不眠の予防になり、犬にとっても飼い主にとっても雨の日の散歩はメリットがあると言えます。
雨の日に犬の散歩をするデメリット
雨の日の散歩は犬にとっての社会性や運動に重要ですが、いくつかのデメリットがあります。
デメリット1:体温低下による体調不良のリスク
一つ目は、体が濡れることによる体調不良のリスクです。
雨が犬の体を濡らすと、寒さや湿度の変化により体調を崩すことがあります。これには風邪を引く可能性や、湿気による皮膚炎の危険性も含まれます。
特に子犬や老犬は体温調整が難しく、低体温症や風邪を引く可能性が高まります。
また犬種によっては特別体調に影響しない犬種(狩猟犬・牧羊犬をルーツに持つ犬種など)や、逆にひどく体調に影響が出る犬種(室内飼いが基本のトイプードル、チワワ、マルチーズ、ポメラニアンなどの小型犬など)がいますので、注意してあげましょう。
雨が大好きなバーニーズマウンテンドッグの動画
かわいいですが、飼い主さんは大変ですね。バーニーズも元気ですが、ゴールデンレトリーバーやラブラドールレトリーバーなどの狩猟犬は濡れることを全く苦にしません。というより好きな子も多いです。必要以上に汚れることも覚悟が必要です。
デメリット2:肉球の怪我・感染症リスク
二つ目のデメリットとしては、犬の肉球が雨に濡れることでふやけたり、擦れて傷がつくことがあります。
特に、雨天時に地面が滑りやすくなると、歩行時に肉球が擦れてしまいやすくなります。また、泥が飛び散って汚れることにより、感染症のリスクも増えます。
デメリット3:転倒のリスク
雨天時に滑りやすくなることに関しては、デメリット2でもお話ししましたが、肉球への影響もありますが、転倒してしまうリスクが大きいです。
犬の転倒の可能性もあり、膝や腰が弱い犬、老犬・子犬については、大けがをしないように要注意が必要です。
また、犬の転倒リスクがあるということは、人間の転倒リスクもあります。足元が滑りますので、急に引っ張られた場合などは転倒のリスクが高まり危険です。高齢の方や女性の方の場合は、要注意です。
雨の日の散歩の準備と対策
雨の日の犬の散歩のデメリットを軽減するためには、散歩コース、雨量と時間の調整、適切な雨具の選択と使用が推奨されます。
散歩コースの選択
いつもの散歩コースも雨が降ると様々な危険を含むことがあります。コースの変更は縄張りの見回り場所に行けなくなるため、犬も不満を持つことがありますが、新しいコースでの発見もあり、犬にとっても悪いことばかりではありません。
まずは安全を第一に検討しましょう。以下が散歩コースで注意した方がいい部分です。
濡れた地面への警戒
雨の後や雨の間に、地面や路面は滑りやすくなります。これは犬だけでなく、飼い主にとっても滑りやすい状況を生み出します。そのため、可能な限り滑りやすい地面を避け、安全な場所を選んで散歩することが重要です。
水溜りや泥地周辺の散歩の回避
これらの場所は、犬が汚れるだけでなく、潜在的に病原体を保持している可能性があります。雨水は犬が感染する可能性のあるバクテリアや寄生虫を運ぶことがあります。
川や池や海周辺の散歩の回避
雨の日には、川や池の水位が急速に上昇する可能性があります。これは犬にも人間にも非常に危険な状況を生み出す可能性があります。近年ではゲリラ豪雨など、予想が難しい天候もあり、散歩コースに川・池・海を含む場合、雨の日は避けた方がよいでしょう。
雷雨の場合は散歩の中止を検討
雷雨は犬にとって怖いだけでなく、稲妻に直接打たれる危険性もあります。雷を含む雨の場合、そもそも犬がおびえて散歩に行きたがらないケースがり、その場合は散歩はお休みにしましょう。
雨の日でも雷がないことを確認し、安全であることを確認してから散歩に出かけるようにしましょう。
雨量と散歩時間の調整
小雨程度であれば、いつもと同じ時間で問題ないと思われますが、大雨や台風、急激な天気の変化が予想される場合に関しては、短時間で終える、あるいは短時間で散歩を分けるなどを行った方が賢明といえます。
また、天気予報を見つつ時間をずらすのもよいでしょう。犬はいつもの時間に散歩が行けず不満を表明(吠えたり、走り回ったり、悲しんだり)すると思えますが、天気をみながら、なだめていれば、雨がたくさん降っていると、時間をずらすことがあることを学習してくれます。
雨天用の服などの装着
近年では、犬用のレインコートや、レインブーツは一般的になってきています。選び方に関しては、愛犬の体にフィットするサイズのレインコートやレインブーツを選び、体が濡れる範囲を最小限に抑えることが大切です。
オーバーオールタイプのレインコートは、体の露出部分を少なくするための良い選択肢となります。
服の装着に慣れさせておけば、レインコート=散歩という認識になり喜んで着るようになります。
雨の日の散歩後のケア
雨の日の散歩後は、犬の体をしっかりと乾かし、肉球や皮膚が濡れたままにならないように注意が必要です。特に肉球はふやけやすく、また皮膚は湿度の高い状態が続くと皮膚炎を引き起こす可能性があります。
タオルドライやドライヤーを使うなどして、犬を乾かすことを忘れないでください。さらに、泥などの汚れをしっかりと取り除き、感染症のリスクを低減することも重要です。
雨の日に散歩に行けなくて不満を訴える犬たち(動画)
文句言ってますね。。雨でも散歩行きたいですよね。
雨=散歩いけないことをわかっていて絶望する子も。。
まとめ 雨の日でも犬の散歩は、安全なら行った方がいい。
犬の健康と幸せを考えると、雨の日でも適切な準備とケアにより散歩を行うことは可能です。しかし、それはあくまで犬の気持ちや体調に配慮しながら行うべきであり、無理に行うものではありません。
ただし、愛犬が雨の散歩を嫌がる場合や体調が思わしくない場合は無理に連れて行かないこと、また、適切な雨具を使用し、散歩後のケアに注意を払うことが大切です。
犬の雨の日の散歩についてよくある質問 Q&A
Q1: 雨の日に犬の散歩は必要ですか?
A1: 雨の日であっても、犬が嫌がらず、安全な状況であれば、散歩は推奨されます。
Q2: 雨の日の犬の散歩におすすめのレインコートはありますか?
A2: レインコートは犬を暖かく、乾燥させ、大部分の泥から保護することができますが、すべての犬が衣類を好むわけではないため、愛犬が快適に感じるように、適切にフィットするものを選ぶことが重要です。
Q3: 雨の日に犬の肉球を保護する方法は?
A3: 悪天候の日に犬の肉球を保護する良い方法は、犬用ブーツまたは肉球用ワックスを使用することです。