日本でも多く飼育されている、ジャックラッセルテリア、ヨークシャーテリア、スコティッシュテリアなどのテリア系犬種は人気はありますが、一部で飼いにくいともいわれています。本当のところ一体、飼いにくいのか、それとも飼いやすいのかどちらなのでしょうか。
この問いに答えるためには、テリア系犬種が持つ独自の特徴と性格を理解することが重要です。
テリア系犬種は、その活発な性格と機敏さから、かつては害獣駆除の役割を果たしていました。
しかし現在では、その愛らしい外見と勇敢な性格から、家庭のペットとして大変人気があります。その一方で、「テリア系犬種 デメリット」や「テリア系犬種 メリット」については、飼い主のライフスタイルや経験により異なる面が見られます。
今回の記事では、テリア系犬種がどのような特性を持ち、どのように飼育すればよいのかを詳しく解説します。
Contents
テリア系犬種の一般的な特徴
テリア系犬種は、その特異な特性から「飼いにくい」と感じる飼い主もいれば、逆にその独立性や活発さを「飼いやすい」と感じる飼い主もいます。ここで、テリア系犬種の一般的な特性を見ていきましょう。
高いエネルギーレベルと運動要求
テリア系犬種は、非常に活動的で運動が大好きな犬種です。
もともとはネズミ、ウサギなど地中に巣を持つ獣を追い詰めるために飼われていた彼らは、そのエネルギーと好奇心を活かすためには、定期的な運動が必須です。
散歩や遊びを通じて彼らのエネルギーを適切に放出させることは、テリア系犬種を飼いやすくする秘訣の一つです。
独立心が強く、頑固な一面
テリア系犬種は、独立心が強く、一度決めたことはなかなか変えない頑固な一面を持っています。
これが、テリア系犬種の飼いにくいと感じる理由の一つかもしれません。しかし、これは彼らの特性を理解し、適切な訓練を施すことで克服可能です。
勇敢さと好奇心
テリア系犬種のメリットとしてよく挙げられるのが、その勇敢さと好奇心です。
小さい体格ながらも恐れを知らない彼らは、家族を守るためには自身を犠牲にすることも厭わない勇敢さを持っています。
また、新しい環境や物事に対する好奇心も強く、その探求心は飼い主を常に楽しませてくれます。これらが、テリア系犬種を飼う大きなメリットであり、デメリットに見える頑固さも、実はその一部と言えるでしょう。
テリア系の代表的な犬種一覧
テリア系犬種は、その名前が示すように、「地中」(ラテン語でテラ)を意味し、主に地中の動物を探し出し、狩るために使われました。
彼らは一般的に精力的で元気な犬で、しっかりとした身体を持ち、深い掘りや地中の獲物との闘いに耐えうる能力を持っています。テリアの中にはさまざまな種類があり、その大きさも異なります。
一部のテリア種には以下のようなものがあります:
ヨークシャーテリア(Yorkshire Terrier)
19世紀のイギリスで、ネズミを狩るために作られたヨークシャーテリアは、今では愛玩犬として親しまれています。
体重2-3kgと小型ながら、テリア犬種特有の勇敢さや気の強さ、独立心、賢さを持つ一方で、寂しがりやで飼い主に甘える傾向もあります。
幼少期はブラック・タンの毛色ですが、成長するにつれて何度も変化します。その美しい毛質から「動く宝石」とも称されます。このような特徴から、日本を含め世界でも家庭犬として一定の人気を保っている犬種となっています。
以下はヨークシャーテリアの関連記事になります。興味関心があればご一読ください。
フォックステリア(Fox Terrier)
キツネ狩りに特化したフォックス・テリアは、イングランド原産のテリア犬種で、19世紀後半にスムースとワイアーの2種に分化しました。小型で四角い体型、長いマズルと脚、硬い被毛、垂れ耳やボタン耳、垂れ尾(一部は断尾)を特徴としています。
専門家はこれらの特徴から簡単に見分けることができます。また、穴掘りを好む活発な性格も特徴です。
アイリッシュテリア(Irish Terrier)
アイリッシュ・テリアは、大型のテリアで全身が赤茶色一色、体高約43-46cm、体重牡12kg、牝11kg。アイルランド南部のコーク県が原産で、家畜を守るために肉食小動物から作成された。運動能力が高く、訓練性能も非常に高い。動くものに敏感で攻撃性があるため、しっかりとしたハンドリングが必要。頑固で、負の記憶力が強い一方、主人には忠実で愛情深いとされています。運動量が多く、丈夫で疾患は少ない犬種です。
「レッドデビル」とも呼ばれ、非常に喧嘩好きとされアイルランドを代表するテリアである。初めて飼う犬種としては難しいが、テリアの性質を理解する者には価値あるパートナーとなる。
ジャックラッセルテリア (Jack Russell Terrier)
ジャック・ラッセル・テリアは、イギリス原産の小型テリア犬種で、1800年代にデヴォンのジャック・ラッセル牧師によってキツネ狩り用の地中潜行可能な白いテリアとして作り出された。
その後、オーストラリアでウェルシュ・コーギー・ペンブロークと交配され、短脚で温厚な特性が加わり、現在主流のジャック・ラッセル・テリアが生まれた。アメリカンケネルクラブではラッセル・テリアとして登録されている。
非常に活発で好奇心旺盛な小型犬~中型犬で、日本でも人気の犬種です。
スコティッシュテリア(Scottish Terrier)
スコティッシュテリア、通常スコッティ(Scottie)とも呼ばれ、その短くて丸い体と堅いコート、短い足、そして特徴的な顔の表情により、容易に認識できる犬種の一つです。
それぞれのテリア犬種には固有の特性や特性がありますが、一般的には活力と持久力を備え、独立心が強く、好奇心が強いです。そのため、適切な運動と訓練が必要です。
トイ・マンチェスターテリア( Toy Manchester Terrier)
トイマンチェスターテリアは19世紀に小型化と高速化が図られたマンチェスター・テリアの品種で、ギャンブル目的のネズミ狩りゲーム用に開発されました。当初は人気を博しましたが、過度な小型化と乱繁殖による健康問題で人気が落ち、絶滅の危機に瀕しました。
しかし、愛好家による努力で体型制限が緩和され、健康な犬種が再度確保され、人気を取り戻しました。現在ではペットとして国内外で愛されており、日本でも人気が高いです
以下はトイ・マンチェスターテリアの関連記事になります。興味関心があればご一読ください。
そのほかテリア系には、ボストンテリア、ウェストハイランドホワイトテリア、ケリーブルーテリアなどがあります。
テリア系犬種のメリット:テリア系犬種が飼いやすい部分と魅力
テリア系犬種は、その活発な性格と賢さから多くの飼い主に愛されています。
次に、テリア系犬種 飼いやすいとされるポイントを掘り下げていきましょう。
忠誠心と愛情深さ
テリア系犬種は、非常に忠誠心が強く、愛情深い犬種です。彼らは家族との絆を大切にし、飼い主に対する愛情は深く、無償のものです。
その忠誠心と愛情深さは、彼らが家族と一緒に過ごす時間を大切にすることからも見て取れます。飼い主も犬との時間を大切にすることで、テリア犬種はより家族としての絆を深めることができる犬種といえます。
害獣駆除の能力
テリア系犬種は、もともと害獣駆除のために飼われていた歴史があります。
そのため、家庭で飼う場合でもその特性は役立ち、彼らの存在だけで家庭の害獣を減らす効果があります。
これもまた、テリア系犬種が飼いやすい一因と言えるでしょう。都会ではあまりこの部分の力を発揮することはありませんが、広い家でネズミがでる、そのほかの動物が現れるなどの状況では活躍すると考えられます。
友好的で社交的な性格
テリア系犬種は、友好的で社交的な性格を持っています。さらに高い知性も持ち合わせています。
彼らは人間や他の動物との交流を楽しむ傾向があり、適切な社会化がなされていれば他の犬種や人々ともうまくやっていくことができます。きちんとした紹介ができれば他犬種や猫などともうまくやっていくことができます。
この性格は、彼らを楽しい家庭の一員にする大きな要素となっています。
テリア系犬種のデメリット:テリア系犬種の飼いにくい部分
テリア系犬種は、その魅力的な特性と一緒に、一部の飼い主にとっては挑戦的な側面も持っています。
以下で、テリア系犬種の飼いにくいとされるポイントについて詳しく見ていきましょう。
運動要求量の多さ
テリア系犬種は活発で、エネルギーレベルが高いため、十分な運動が必要です。元々狐やうさぎ、ネズミなどを狩るために活躍しているため、その運動量は一般的な家庭犬よりも多いと言えます。
散歩や遊びの時間を惜しまない飼い主にとっては問題ありませんが、忙しい日々を送っている飼い主にとっては難しく感じるかもしれません。
頑固さと訓練の難易度
テリア系犬種は自立心が強く、頑固な一面があります。狩りで活躍するためには、個々の判断で獲物を追う場面がおおいため、自立心が必要だったからともいわれます。
そのため、頑固さゆえに訓練は苦労することもあります。しかし、適切なトレーニング方法と一貫性があれば、彼らは学習を楽しむことができます。
一部のテリア種は他の犬や小動物に対して攻撃的になる可能性
テリア系犬種の一部は、他の犬や小動物に対して攻撃的になる可能性があります。
これは彼らの狩猟本能に由来するもので、早い段階で適切な社会化が行われていないと問題になることもあります。フレンドリーな犬種ではありますが、元々の彼らの仕事ゆえに仕方がありません。
具体的によく問題になるのは、ドッグランで他の犬と遊んでいたとおもったら、獲物を追い詰めていく行動をとって攻撃的になることです。テリア系を多頭飼いしている場合などは連携してこうした行動をとることもあり、
このような性質を理解し、適切な対策を講じることが大切です。
テリア系犬種の飼育のポイント
テリア系犬種をうまく育てるためのポイントはいくつかあります。以下で詳しく見ていきましょう。
正しいトレーニング方法
前述のとおり、テリア系犬種は独立心が強く、頑固な一面があります。
そのため、訓練は一貫性と適切な方法が必要です。一貫性を持ち続け、ポジティブな強化を中心に訓練を行うことが推奨されます。
少しでも甘やかしたり、彼らの判断を優先させてしまうと、訓練が失敗することもあり得ます。そのためテリア系犬種は犬の飼育初心者には向かない可能性も高く、犬の飼育初心者が飼育する場合は、トレーナーや獣医師など専門家によく相談し、場合によっては、犬とともにトレーニングを飼い主自身が学ぶ必要があります。
必要な運動量の確保
テリア系犬種はエネルギーレベルが高く、適切な運動量を確保することが大切です。
散歩だけでなく、ドッグランでの運動、様々な遊びを通じてエネルギーを発散させることが重要です。一般的な家庭犬、お座敷犬などにはテリア系は向かず、運動量を確保する自信がもてないのであれば、飼育すべきではありません。
社会性・ソーシャルスキルの育成
テリア系犬種は、社交的な性格を持つ一方で、他の動物に対する攻撃性を示すこともあります。しかし、理解しなければならないのは、この攻撃性こそ狩猟犬としての本能であり本来評価されてきた部分です。
そもそもテリア系の犬種は家庭犬ではないということを理解したのうえで、これを抑制するためには、早い段階で適切な社会化トレーニングを行うことが重要です。これにより、他の犬や人々と上手に関わることができます。
まとめ:テリア系犬種を飼う上での考慮事項
テリア系犬種は、その活発さと鋭い知性で、飼い主にとって大きな喜びをもたらします。
一方で、テリア系犬種は飼いにくいと感じる方もいるでしょう。その原因は、高い運動要求、独立心と頑固さ、そして一部のテリア種が他の犬や小動物に対して攻撃的になる可能性があるためです。
しかし、テリア系犬種は飼いやすいと感じる飼い主も多いです。その理由としては、忠誠心と愛情深さ、害虫駆除の能力、そして家族に対しての友好的で社交的な性格が挙げられます。
テリア系犬種を飼う上で大切なことは、適切なトレーニングと適度な運動、そして良好なソーシャルスキルの育成です。これらを行うことで、テリア系犬種の「デメリット」を最小限に抑え、「メリット」を最大限に引き出すことができます。
最終的には、テリア系犬種があなたの生活スタイルや家族環境に適合するかどうかが最も重要です。
十分な知識と理解を持って、あなたの新しい家族メンバーを迎え入れましょう。
テリア系犬種について よくある質問
Q1:テリア系犬種は初心者に飼いやすいですか?
A1:テリア系犬種は活動的で知識が必要な犬種なので、「テリア系犬種 飼いにくい」と感じる初心者もいます。しかし、愛情深く、しっかりと訓練すれば忠実なパートナーになるため、「テリア系犬種 飼いやすい」と感じる人も多いです。
Q2:テリア系犬種のメリットは何ですか?
A2:テリア系犬種のメリットとしては、その忠誠心と愛情深さ、活動的な性格、そして害虫駆除の能力が挙げられます。また、一般的に友好的で社交的な性格を持っています。
Q3:テリア系犬種のデメリットは何ですか?
A3:テリア系犬種のデメリットとしては、頑固さと独立心、そして高い運動要求があります。また、一部のテリア種は他の犬や小動物に対して攻撃的になる可能性もあります。
Q4:テリア系犬種の訓練は難しいですか?
A4:テリア系犬種は頑固な一面があるため、訓練には時間と忍耐が必要です。しかし、ポジティブな強化を中心にした訓練方法を採用すれば、彼らは十分に訓練可能な犬種です。
Q5:テリア系犬種は他のペットや子供と上手くやっていけますか?
A5:テリア系犬種は基本的に社交的ですが、一部のテリア種は他の犬や小動物に対して攻撃的になる可能性があります。早い段階での社会化と訓練が重要です。子供とは通常うまくやっていけますが、テリア系犬種を理解して適切な訓練が必要です。