近年日本でも被毛の優雅さや性格の良さなどから人気猫種になった「ラグドール」ですが、長毛種であるため、湿気の多い日本の夏はつらいと考えられています。
このような日本の暑さに対応する方法としてペットに施される対策として「サマーカット」という方法があります。カットされた猫の雰囲気はかわいらしいし、暑くならないなら良いことばかりと考えがちですが、メリット・デメリットが存在します。
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猫のサマーカットとは
猫のサマーカットはバリカンを使って体の一部分や全体の毛を刈り、スタイリングすることを指します。
犬と違い猫は被毛をカットすることはあまりなく、馴染みのない方もいらっしゃると思いますが、暑さ対策や一定の状況で行うことがあります。ライオンカットといわれることもあり、かわいいなどの理由でも行われます。
自分の髪形を家族に決められて無理やり切られると考えてみるといかがでしょうか。多分うれしくないですよね。それ相応の理由がないのであれば、やめた方がいいでしょう。
ラグドールにサマーカットが必要なケース
かわいいというファッション感覚でのカット以外で、サマーカットが必要なケースがあります。考えられる内容は以下です。
暑い地域で飼育する場合
日本はより高温多湿になってきており、東北・北海道を除けば夏以外でも暑いといえます。長毛種のラグドールにとっては、過ごしやすい環境とは言えません。そのため飼育環境によってはサマーカットを検討することはあり得るでしょう。
皮膚病を罹患した場合
住環境に関係なく、皮膚病に罹患した場合、患部やその周辺にかけて被毛をカットする必要があります。
被毛が絡まりブラッシングできない場合
長い毛を持つラグドールは、首周りや脇の下、お尻、胸やお腹、耳の後ろなど、毛玉ができやすいといえます。こうした被毛が絡まり毛玉になるとブラッシングしずらくなり、ブラシに引っかかると猫も痛がり、ブラッシング自体を嫌がるようになります。
こうしたことが起きないように長毛種の場合、カットを行うことがあります。
また、サマーカットはバリカンで体毛を短く刈り込むことが一般的ですが、さすがに不安と思われる方は、ハサミを使って毛玉ができやすい場所を少しカットすると、お手入れがしやすくなります。ただし、被毛を傷つけないようにトリマーにお願いするのがベストといえます。
ラグドールにサマーカットをするメリット
メリットと考えられていることに関して以下にまとめました。
暑さ・熱中症対策
暑さ対策・熱中症対策としてサマーカットは1つの手段といえます。
急激な気温の変化に対応できず、熱中症になるケースがあります。猫は一般的に涼しい場所を探すのがうまく、体温調節もうまい動物です。ラグドールに関しても同じですが、大人になるのに4年かかるといわれており、留守番中に若い段階では別のことに夢中になって、熱中症に陥るケースはありえます。
サマーカットをすることで通気性がよくなり涼しくなり、暑さ及び熱中症予防になります。
掃除・お手入れがラクになる
長毛種は長い被毛が優雅で魅力ですが、被毛自体の手入れや抜け毛の掃除は飼育している限り続きます。
ソファや衣服への付着は中々取ることができず、飼い主の悩みとも言えます。
このような状況をサマーカットをすることで、抜け毛の処理がしやすくなるというメリットがあります。
また、被毛が短くなることで毛玉もできにくくなり、ブラッシングもしやすくなり、毛球症にもなりにくくなります。
暑さによる皮膚病の予防になる
日本は湿気が多いというのは言うまでもありません。湿気が多いことが猫の皮膚病の発生リスクを高めます。とくに長毛種であるラグドールは被毛が密で蒸れやすく、皮膚病にかかりやすいと言えます。
サマーカットで毛玉ができるのを防げば、肌の通気性がよくなり、皮膚病の予防になり肌の異常にも気が付きます。
暑さ対策としてのサマーカットは猫には必要なのか?
そもそも猫には、サマーカットは基本的に不要で、ラグドールも同じです。
理由は、猫は自己調整能力が高く、季節に対応して換毛するためです。本来は毛を短くしたり、刈り上げる必要はありませんのでラグドールも同様といえます。
必須の状況であっても、サマーカットをすることは自然なことではなく、猫に対しても負担になるため、悪影響があります。
サマーカットを行うことのデメリットは以下になります。
ラグドールにサマーカットをすることの悪影響・デメリット
猫のサマーカットはかわいかったとしても、猫の体と心には、ダウンサマーカットは、毛を刈ることで体温を調整するために行われます。な毛のカットは猫の体と心にまでを与えます。 例えば、日焼けや皮膚トラブル、ストレス、不安などが考えられます。
毛づくろいで皮膚が傷つく
サマーカットをして毛が短くなったとしても、猫は本能的な習性で、毛づくろいを行います。本来長毛であるものが短くなり、被毛への違和感から通常より多く毛づくろいをしてしまい、その結果皮膚が傷つき、皮膚炎になることがあります。
猫好きの方なら常識ですが、猫の舌は犬などと違いざらついています。
猫自身の舌により自らを傷つけてしまうのです。
強いストレス
普段の自分と異なる姿になるのは、動物にとってはストレスになります。被毛がないことへの不安などで通常と違い行動や一時的に憶病になる、起こりやすくなるなど猫の性格によりさまざまな悪影響が起こる可能性があります、
また、サマーカットを行うために、慣れない場所で長時間拘束されたり、バリカンを当てられることは、強いストレスになる恐れがあります。さらに、猫の性格上長時間の拘束が難しい場合、血液検査の上、麻酔をかけてサマーカットを行うケースもあります。
毛が生えそろわない
サマーカットの後、徐々に毛は伸びますが、カット以前に戻らないケースがあります。
理由の一つは、カットをしない限り、毛が短くなることはないため、猫は気になってしまい何度も毛繕いしてしまい、伸びた毛が猫のしたはギザギザしているため切れてしまい、伸びる速度はまちまちになってしまうことがあります。
皮膚炎を防ごうとして、日光性皮膚炎になる・・
サマーカットをすることで、皮膚の状況を確認することができ通気性のよさから蒸れることは防げますが、日光にあたることでの皮膚炎になるケースがあります。
本来紫外線から肌を守るはずの被毛が短くなったことで皮膚に炎症を起こすことで、日光性の皮膚炎を起こすのです。症状としては皮膚が赤くなり、炎症やフケがでるという形ですが、悪化すると脱毛や皮膚の効果、悪性腫瘍という流れで深刻化していきます。
本当に必要な場合を除き、ここまでのリスクを冒してやるべきではないと言えます。
おおらかな性格の子が多いラグドールですが個体差があり性格がすこし繊細な子については要注意といえます。
猫の暑さ対策
ラグドールは長毛種で、日本の夏に対応できない可能性はありますが、日本では外飼いは推奨されておらず、様々な準備をすることで対応が可能です。
空調で室内温度を一定にする
夏以外でもクーラーなどの空調で室内温度を一定にすることで暑さを避けることができます。
猫は人間と比べると1~2℃体温が高いので、具体的には20~28℃(夏は27℃前後、冬は23℃前後)で調整できるとよいでしょう。
ただし扇風機は羽がついているタイプは猫が手を入れる、毛が絡まるなどで怪我の恐れがあるため手が届かない場所に設置するか、羽のないタイプを使用するのが好ましいでしょう。
カーテンで室内温度を調整する
普通のカーテンでも遮熱することはできますが、遮熱カーテンや断熱カーテンをつけることで、年中快適な空間をつくることができます。
家具、キャットタワーなどで日陰をつくる
例え日がはいってきても猫が身を隠して置ける涼しい場所を用意しましょう。転倒しない家具やキャットタワーでの日陰でも十分です。
常に水分補給ができる場所を用意する
熱中症の原因として、十分な水分補給ができないケースも考えられます。ご飯毎に水を入れ替えたり、綺麗な水が循環できる給水機などを用意すること検討してください。
そのほか冷感シートなどを猫がよくいる場所に置いておくなどが考えられます。
猫の健康にかかわることなので、最低でも冷感シートや冷風機などを用意してできる限り室温を一定にしましょう。
ラグドールのサマーカットに関してのまとめ
ラグドールに限らず、猫には基本的にサマーカットは必要ありません。ラグドールを飼う場合も、クーラーなどで環境を調整することが大切です。
涼しさの担保、病気を防ぐメリットはありますが、他の方法でも対応することができますのでサマーカットの前に様々検討すると良いでしょう。
ラグドールのサマーカットによくある質問 Q&A
Q1: ラグドールのサマーカットのメリットは何ですか?
A: サマーカットの一つの利点は、猫が涼しく快適に過ごすのを助けることができるということです。特に暑い夏の季節には、長い毛皮が熱を捕捉して猫が過熱する可能性があります。サマーカットはまた、毛玉の形成を減らし、絡まった毛を解く手間を減らすことができます。
Q2: ラグドールのサマーカットのデメリットは何ですか?
A: サマーカットの一つの欠点は、猫の皮膚が日差しに直接晒され、日焼けや日射病を引き起こす可能性があるということです。また、一部の猫は新しいスタイルに慣れるのに時間がかかり、気にし過ぎて毛づくろいで皮膚が傷つくかもしれません。そのため、サマーカットは猫の個々のニーズと快適さを考慮して慎重に行う必要があります。
Q3: ラグドールのサマーカットについて他に注意すべき点はありますか?
A: サマーカットはプロのペットトリマーによって行うのが最善です。
自宅でのトリミングは特に長毛種の猫にとっては困難で、時にはストレスフルな経験となり、怪我を招く可能性もあります。また、サマーカットを施す前には獣医に相談し、猫の健康状態や皮膚状態を確認することが重要です。