人間、動物、環境の健康を維持・向上させるための考えとしてワンヘルスというものが昨今注目を集めています。
大きなきっかけは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、動物から人に感染する「動物由来感染症(人獣共通感染症)」でその発生も含めワンヘルスが重要視されはじめました。
この記事では、ワンヘルスの課題、基本的な概念とその重要性、取り組むべき課題や実践方法について解説していきます。
ワンヘルスの概念と背景
ワンヘルスの概念は、ヒトと動物、環境の健康が密接に関連しているという認識に基づいています。
気候変動が健康への重要性が明らかになったことから、ますます重要になっています。
ワンヘルスの重要性
ワンヘルスの取り組みは、人獣共通感染症(Zoonosis)対策や薬剤耐性菌(AMR)対策や環境保全、食品安全、気候変動対策など堅実な分野での協力が求められます。世界的な取り組みが必要とされています。
ワンヘルスが取り組むべき課題
ワンヘルスが取り組むべき課題には、新興・再興感染症対策課題、抗生物質耐性の問題、環境破壊に伴う生態系の変化、気候変動の影響などが挙げられます。
1国や一部の地域での取り組みでは効果は限定的で、国際的な連携が必須です。
ワンヘルスの実践方法
ワンヘルスを実践するためには、以下のような取り組みが必要です。
- 分野横断的な協力:医学、動物学、環境科学、公衆衛生などの専門家が連携し、知識と技術を共有することが重要です。
- 教育と研究:ワンヘルスに関する教育や研究を推進し、専門家や一般市民に対する理解を深めることが求められます。
- 情報共有:ヒト、動物、環境に関連する情報を迅速かつ適切に共有し、リスク評価や対策の策定に活用することが大切です。
- 国際連携:ワンヘルスの課題は規模であり、国際的な取り組みが不可欠です。各国が協力し、地球共通の目標に向けて取り組むことが重要です。
日本での取り組み
厚生労働省では、人獣共通感染症(Zoonosis):医師会、獣医師会と連携して毎年シンポジウムを開催し、薬剤耐性菌(AMR) :「ワンヘルス動向調査報告書」を毎年公表しています。
参照先:薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001045134.pdf
ワンヘルスの今後の展望
ワンヘルスの考え方は、今後も感染症対策、環境保全、食品安全、気候変動対策など多様な分野での取り組みが進むことが予想されます。
また、持続可能な開発目標(SDGs)との連携を強化し、地球規模での健康と環境の課題に取り組むことが重要です。
まとめ
ワンヘルスは、ヒト、動物、環境の相互関係を理解し、それぞれの健康と環境保全に対する取り組みを促進する考え方です。
ワンヘルスの理念を広め、今後も持続可能な地球環境と人類・動物の健康を実現するために、引き続き努力していく必要があります。